八重洲・日本橋・京橋エリアには、衣食住や趣味・仕事まで本物を知るおとながたくさん。イラストレーターの佐々木千絵が、このまちの”粋”を体験するイラストエッセイ。
第3回、第4回は日本”三大祭”の一つと言われる山王祭に参加したお話です。まずは山王祭が何たるか、祭の予習を脳と体に叩き込んだ事前準備編をどうぞ。
全国にはねぷたやだんじり、博多どんたくに阿波踊りなど数々の有名祭がありますが、ここ八重洲・日本橋・京橋は日本三大祭や江戸三大祭といわれる山王祭があるエリア!
山王祭とは赤坂にある日枝神社の例大祭で、江戸時代には歴代将軍が上覧していたという壮大で絢爛なtheフェス。
何日にも渡り神幸祭や神輿渡御が行われます!
生まれも勤務先も完全部外者の私がなんと今回、この地域でたくさんのビルを持っている日本最古のディベロッパー”東京建物”さんの社員と一緒にお神輿を担ぐことになりました。
由緒正しい歴史と伝統がある”山王祭”、しかも今回はコロナ禍を経て6年ぶりの通常開催!
待ちわびた街の皆さまの心意気を少しでも理解したい思いで、編集Sさんと江戸三大祭り山王祭について学ぶ“江戸まち塾”なる勉強会に参加しました。
「江戸まち塾」ものすごく楽しかった!
捨てるものがない社会、捨てるものこそに価値を見出す文化、反物のリサイクル、海外のものを日本流にアレンジして取り入れる才能、住む人で自治を収めるシステム…
ここ最近の心がズンと落ち込むさまざまなニュース、江戸のシステムがまるごと全て解決してくれるんじゃないかと思うほど。
後半の細田さんのお神輿についての対談も、山王祭を楽しむ上で本当に聞いてよかった。
職人さんの手作業で作られたお神輿は大きくて重いほどステイタス!
江戸文化にいい感じに浸された相模の国から来た神奈川県民の私、「次は東京建物社内のお神輿の担ぎ方を学ぶ会に参加します!」と編集Sさんからミッション連絡が入る。
なんだか生半可な気持ちでは参加できない雰囲気を、「江戸まち塾」と「決起会」で感じ取りました。
翌日、地下足袋と半股引(はんまたひき、じゃなくて”はんだこ”って読むのも初めて知った)を求め人生初!お祭り用品店に足を踏み入れる。
身も心も脳みそも、すっかり山王祭一色に仕上がった私。
とは言っても何日もかけて行われる山王祭の中で私は最終日の「下町連合渡御」のみに参加。
下町連合渡御とは八重洲、日本橋、京橋、茅場町・兜町、八丁堀、江戸橋、宝町、計16基のお神輿の大行列!
インドアで運動不足でお神輿未体験だけど、果たして当日どうなることやら…
後編の「下町連合渡御編」に続く
独特のゆるいタッチと鋭い視点で描くイラストエッセイが人気。雑誌や広告、ウェブメディアなどで幅広く活躍中。大の旅好きで台湾のオールイラストガイドブック『LOVE台南~台湾の京都で食べ遊び~』(祥伝社)を2017年に出版。『子連れソウル』『ジジ連れ冥土のみやげ旅inパリ』(ともに祥伝社)などの著書がある。
Instagram:chie_sasa