ワールド・アンティーク・ブック・プラザのめくるめく古書の世界

2023.12.21

八重洲・日本橋・京橋エリアには、衣食住や趣味・仕事まで本物を知るおとながたくさん。イラストレーターの佐々木千絵が、このまちの”粋”を体験するイラストエッセイ。
第1回は洋書の古書を扱う丸善日本橋店3階「ワールド・アンティーク・ブック・プラザ」で古書の楽しみ方を教えてもらいました。

結論から言うと、取材時間2時間超になったけどまだまだお話を聞いていたかった!

そんな空間でした。

 

場所は丸善日本橋店の3階の一角にある、店名の通り世界の”古書”が集められたショップ。

特に読書家でも古書に詳しいわけでもない私にどんな取材ができるのだろうと前日は少し不安がよぎりましたが…。

これはまずい!楽しすぎて底がなさすぎて取材を忘れてしまう…。

 

知識容量テラバイト! ウォーキングディクショナリーな関さんが一つ一つ詳しい解説をしてくださるので、知識のない私にも紙の中に物語が見えてきて全部聞いて回りたくなります。

上記以外にも19世紀イギリスの美術雑誌the DOMEや藤田嗣治の水彩画を元にした限定425冊のうちの1冊の挿絵本、雑誌「ザ・ニューヨーカー」の1930年代~のもの、などどれも貴重で眼福にあずかり幸せメーター振り切れっぱなし。

 

中でもすごかったのが、最も豪華で高価といわれるニューヨークのメトロポリタン美術館所蔵、限定980部『ベリー公の美わしき時禱書』の豪華復刻版が「在庫特別価格」の¥1,000,000で販売されていたこと!安いのか高いのか全くわからない、脳が一瞬バグる本も。

 

取材に同行してくれた担当のSさんはずっと出版編集業界在住。

贅沢品で工芸品も兼ねていた古書を見続けてるうちに何かが溢れてきた模様。

 

プロが本気で作り上げたものって心打たれますよね、何かを生み出す職業ならば定期的にその感情を引っ張り出すことも必要です。

 

地方の世界遺産や海の向こうの知らない国に行かなくともこの日本橋でそれが体験できるのです!

一見敷居が高そうに思えた古書の世界。

 

古地図からお土産用の絵本、千円代で手に入る蔵書票まであらゆる物を取り扱っているので、本好きさんはもちろん、デザイン、ファッション、編集、旅行関係、アート系、ありとあらゆるジャンルのおとなに必ず刺さる出会いがありそうです。

 

ここワールド・アンティーク・ブック・プラザで扱ってる古書はすべて輸入品なので基本外国語の書籍ばかり。

そのため内容を理解することは難しいのですが、装丁の美しさを愛でるもよし!有名作家による挿絵を楽しむのもよし!珍しい紙の質感に触れるもよし!

 

アートを楽しむように五感をフルに使って豊かな時間を過ごすことができると知りました。

 

映画の主人公ではないけれど色々なアイディアやヒントが手に入りそうです。

 

  • ワールド・アンティーク・ブック・プラザ

    住所:東京都中央区日本橋2-3-10 丸善・日本橋店 3F内

    電話番号:070-3607-5462

    営業時間:11:00 ~20:00

    定休日:年中無休(1月1日は休業)

    公式サイト

    https://www.facebook.com/WorldAntiquarianBookPlaza

    ※新着商品をご覧いただけます。

佐々木千絵
イラストレーター

独特のゆるいタッチと鋭い視点で描くイラストエッセイが人気。雑誌や広告、ウェブメディアなどで幅広く活躍中。大の旅好きで台湾のオールイラストガイドブック『LOVE台南~台湾の京都で食べ遊び~』(祥伝社)を2017年に出版。『子連れソウル』『ジジ連れ冥土のみやげ旅inパリ』(ともに祥伝社)などの著書がある。

X:@sasakichie

Instagram:chie_sasa