国内外のおいしいものが集まり、目的や気分に合わせて店を選べるのも、八重洲・日本橋・京橋エリアの魅力。このまちで働く女性ワーカーコミュニティ・GOKINJYOが、お気に入りのメニューを紹介するリレー連載。
今年の2月は雪が積もったかと思ったら急激に暖かくなり、そうかと思ったらまた寒くなったり、ただでさえ短い2月がより忙しなく感じますね。そんな2月のある晩に、日本橋駅からもすぐの「割烹 嶋村」にお伺いしました。
実は私、こちらには以前にランチで一度訪れておりました。そしてその際のとてもハイクオリティな内容から、夜に来てみたい! と思っていたのでこの日の集まりをとても楽しみにしていました。
お店は現代的な全面ガラス張りのビル。遠くから見ると白いビルに見えます。しかしよく見るとガラスの向こうは障子があり、和風のお店なことはうかがえますが、知らなかったらまず自分では入ることができる気がしません。思い切って入り口の引き戸を開けると、外観からは想像できなかった純和風の割烹料理店になっています。(後で伺ったお話では、現在の店舗は仮店舗で、近隣エリアの再開発完了後に新店舗で営業を開始されるそうです)
お店の方の案内で2階に上がると、襖で区切られた個室になっており、自分たちのグループの会話だけに集中できます。お部屋は床の間などもある和室でしたが、椅子とテーブルなので高齢の両親を連れてきてもいいな、とも思いました。
まずは乾杯!先付と前菜です。
黄色い小鉢に入っているの、何かわかりますでしょうか?これ、ナマコなんです。そう、海で見たことがある人もいるでしょうが、あのナマコです。
私の地元長崎ではお正月料理でナマコが出ますが、地元を出てから見たことがなかったのでとても懐かしい気持ちになりました。食感はコリコリ感もありますが思っていたよりずっと柔らかく、土佐酢のだしの加減もちょうどよくてとても食べやすい珍味でした。
次はお椀です。
鯛の身とホタテの真丈のお吸い物。まずはその彩りとだしの香りに圧倒されます。お吸い物のだしを一口いただくと芳醇な旨味が押し寄せますが後味すっきりとして、ずっと飲んでいたい気持ちになります。誰かが「二日酔いの朝に飲みたい」と言っていました(笑)
次は鯛のぶつです。と言って出てきたのはこのビジュアル。やはり美しいですが、鯛はどこ?
かき混ぜていただくとのことで、混ぜるとゴロゴロと鯛の大きい身が薬味の下から現れ、宝探しのような楽しみがあります。普段お刺身でいただくことが多い鯛ですが、ぶつ切りだと食感も味の濃さも強く、薬味やポン酢と一体となり、印象に残る一皿でした。
鯛に合いそうだし、日本酒行っちゃう?と誰からともなく言いだし、選んだのはお店の名前を冠した「純米吟醸 日本橋九代目嶋村」。辛口ですっきりとしていますが旨味も強く、だしのきいたお料理やお魚とぴったりです。
こちらも見た目インパクトのある真鯛のかぶと煮。長崎の実家にいたころと違い、自分ではなかなか煮魚を家で作ることがないのでとても嬉しい!味付けも鯛の旨味を生かした優しい、とても上品な良い塩梅でした。
いよいよ終盤に差し掛かり、黒豚のお鍋です。写真ではわかりづらいですが大皿に盛られた野菜のボリュームと鮮やかな色が目を引きます。特製のだしと黒豚の甘味、野菜の歯ごたえが一体となり極上です。そして写真を撮り忘れましたがお店オリジナルの赤の柚子胡椒があり、味の変化を楽しむこともできます。この赤の柚子胡椒、お店の方も「とても辛いので少しずつお使いくださいね。」と注意喚起されるくらい少量で効きます。辛い物好きな自分としては、柚子胡椒だけで売っていたら買って帰りたいくらいでした。
日本酒の後、次何にする?とメニューを見ていると、なんと嶋村オリジナルの芋焼酎もあるではありませんか。実はこの日のメンバーは偶然にも自分を含め3人が九州とゆかりのある人達で、これは行くでしょ!と注文。フルーティーさより芯のしっかりとした、きりっとした味です。
そして最後の甘味はシャーベット。ここまで出てきた数々のお料理の余韻を感じながら、柚子の味で後味さっぱりとして最後を締めくくりました。
この日は翌日も仕事の人が多い平日だったこともあり、さすがに焼酎は飲み切れず、ボトルキープをお願いしました!次来てみたらもう無くなってたりして?
このように味わい深いお料理盛りだくさんで、個室のプライベート感もあり、深い話で盛り上がった大満足の夜となりました。1階にはカウンターもあるそうで、何か別の機会でもぜひ利用させていただきたいと思います!本当にありがとうございました。