八重洲・日本橋・京橋エリアには、衣食住や趣味・仕事まで本物を知るおとながたくさ ん。イラストレーターの佐々木千絵が、このまちの”粋”を体験するイラストエッセイ。 第6回はアイラウイスキーに魅せられたマスターが営むスコッチバー『COFFEE & WHISKY BARアイラ島』で非日常を味わってきました。
奇跡の男女の出会いや同僚との仕事の愚痴、マスターへの恋愛相談やフラれてクダを巻くなどおとなの物語は全て行きつけのバーで繰り広げられると思っていた幼少期。
実際そんなことはドラマだけの話だったと知る年齢になるが、行きつけのバーがあることはおとなの嗜みには変わりない!
そこでこの八重洲・日本橋・京橋エリアに、昼は自家焙煎の珈琲店、夜はこだわりのウイスキーが飲めるバーがあると聞き、担当編集のSさんと仕事帰りに行ってきました。
お店はシュッとしたビルの2階、エレベーターを降りるとすぐ目の前に入り口が。 ちょっぴり緊張…
もう、一歩足を踏み入れた途端に確信できる「いいお店!」 マスターの舘田さんは若い頃、職場のあった渋谷でバーにハマり、ITの仕事をしつつ最初は銀座のビルの1階にバーをオープン。
そこから8年、ゆっくりお酒を味わってもらいたく悩んだ末、予約制でビルの2階という 現在のかたちにされたそう。
・非日常
・しつらえ
・照明
・音楽
がバーを構成する要素と考え、こだわって創り上げたお店。
もちろんウイスキーの仕入れにも並々ならぬこだわりが!
それが評価され、東京でも数少ないスコットランドのアードベッグ蒸留所公認のエンバシーに認定されています。
お店に入ってからウイスキーの最初の一杯にたどり着くまでに、舘田さんに聞きたいことが溢れる。(全部聞いた)
1779 年誕生、アイラ島で一番歴史の古いボウモア蒸留所からやってきたウイスキー、琥珀色が一番美しく見える完璧な照明に照らされ目の前に堂々と登場!
このカウンターはウイスキーのランウェイだったのね。
沖縄へ行けば泡盛も飲むしウイスキー蒸留所見学で美味しく試飲もするけれど、日頃家では喉越しビール、外ではワインか日本酒かと、基本今まで醸造酒一本だった私!
一杯目からウイスキーロックというのは人生初。
しかも特徴的なアイラウイスキー!
じっくりゆっくり口と鼻で香りと味の変化を楽しめて酔いの巡りがちょうどよい。
徐々に距離を縮めて知れば知るほど親しくなる友だちのよう。
ウイスキーのお供は、舘田さんこだわりのピートでスモークしたオリジナルナッツ&チーズと、富ヶ谷に本店がある人気店ミニマルのハイカカオチョコをいただく。
これがウイスキーの味を際立たせるのに最高!
特にオリジナルのスモークナッツ&チーズは美味しすぎて、家用、友だち用に大人買いしました。
舘田さん曰く、バーには
・ご飯の前に
・ご飯の後に
・待ち合わせに
・一人でも
・お酒が飲めなくても
いつでも来てくださいとのこと。
会話したくなさそうな人には話しかけず、そっとしてくれるそうです。
私はこの取材の後すぐ予約をし、再訪。
おとなの街YNKsでおとなのお酒の飲み方とバーの嗜み方を知ったのでした。
COFFEE & WHISKY BARアイラ島
独特のゆるいタッチと鋭い視点で描くイラストエッセイが人気。雑誌や広告、ウェブメディアなどで幅広く活躍中。大の旅好きで台湾のオールイラストガイドブック『LOVE台南~台湾の京都で食べ遊び~』(祥伝社)を2017年に出版。『子連れソウル』『ジジ連れ冥土のみやげ旅inパリ』(ともに祥伝社)などの著書がある。
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